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ブログ【リベロスクエアハウス】大阪万博 1970年から2025年へ
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こんにちは。
リベロスクエアハウスの石井です。
閉幕間近の大阪万博へ行ってきました。
日本館で日本独自の「ものづくり」と「循環」の精神を体験できる多彩な展示を見ることができましたので、
今回は、その中で印象に残った建築や設備の展示をいくつかをご紹介したいと思います。
まずは、パビリオン建築そのものについて。
主要素材にはCLT(直交集成板)が使われ、約280組・560枚の木板が円形に並ぶ構造です。内と外の空間が連続してつながるデザインで、見る角度によって表情が変わり、とても美しい建築です。
木材には間伐材が用いられており、万博終了後には解体されて全国で再利用される予定だそうです。
「分解しやすく、形を変えやすく作ることで命をつなぐ」という、日本古来の考え方が建築そのもので表現されていました。
次は、「和釘」の展示です。
和釘は柔らかい鉄で作られており、木材の硬い部分に当たると自ら曲がって入り込みます。そのため木を傷つけにくく、耐久性を高める効果があります。
展示では和釘と一般的な釘を比較でき、和釘が木の節を避けながら曲がり、自然に木に馴染む様子を体感できました。
“頑丈につくるより、柔らかくつくることで長もちさせる”という思想は、日本的なものづくりの精神を象徴しており、現代建築の制振技術にも通じる考え方として紹介されていました。
最後は、日本館の敷地内に設けられたバイオガスプラントです。
会場内で出た生ごみを微生物が分解し、水とバイオガスへと変換。
そのガスで発電し、施設のエネルギーとして循環利用する仕組みが導入されています。まさに「EXPO for SDGs」を掲げた大阪万博の理念を形にした、「ごみを食べる日本館」でした。
また、今回の訪問の前に、1970年大阪万博の「太陽の塔」と「EXPO’70パビリオン」も見学しました。
太陽の塔(外観)
太陽の塔 (内部):復元された「生命の樹」
1970年大阪万博の各国パビリオン写真
1970年大阪万博の企業パビリオンパンフレット
太陽の塔の内部では、当時の展示の一部が再現されており、1970年万博当時の熱気を肌で感じることができました。
当時のテーマは「人類の進歩と調和」。
「鉄鋼館」「自動車館」「化学工業館」「せんい館」など、企業パビリオンがずらりと並び、高度経済成長期の勢いを物語っていました。
入場者数は最大で1日83万5,832人!
スマートフォンがなかった当時、来場者の必携品はなんと「方位磁石」だったそうです。
「方位磁石が頼りの万博」から「スマホ予約・キャッシュレス決済の万博」へ。
55年の時を経て、テクノロジーと社会の変化を一気に感じられる貴重な機会となりました。