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ブログ【リベロスクエアハウス】坂本の石垣
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こんにちは。
リベロスクエアハウスの石井です。
今日はこちらの石垣をご紹介します。
自然のままの石を加工せずに積みあげていく「野面積(のづらづみ)」という方法で作られた石垣です。
滋賀県坂本の穴太に「野面積」の職人集団がいたことから、
「穴太積(あのうづみ)」とも呼ばれています。
めったに見られない歴史ある石積みですが、坂本では今でも、至る所でこのような石垣が見られます。
今回、一番修繕の加わっていない石垣の場所を教えてもらい、観察してきました。
自然のままの石を積んでいるため、石垣の表面は揃わず、でこぼこしています。
両手を広げたより大きい石もあれば、
その隙間を埋めるように、片手に乗るくらいの小さな石も使われており、
あらゆる形の石が見事に組まれています。
さらに驚くのは、この石積みを有名にしたのが、自然石を活かした芸術性ではなく、
近代の石垣も凌ぐような堅牢さと耐久性なのだということです。
石の表面をぴったり合わせて、隙間無く組んだ石垣の方が頑丈なように思えますが
「穴太積」では、大きな石と小さな石がバランスを保ち、
地震の際には、小さな石がクッションとなることで石垣の倒壊を防いでくれるのだそうです。
また、漆喰などの接着剤を用いずに単に石を積んでいるため、水はけが良く、豪雨にも耐えられる、
日本の風土に大変適した構造になっているそうです。
『地震で被害を受けた熊本城で、崩れずに残っていたのは、
近代に修復された部分ではなく、400年前につくられたままの「穴太積」であった』とか、
『「穴太積」とコンクリートブロックの耐荷力実験を行ったところ、
コンクリートは220トンで亀裂が入ったのに対し、「穴太積」は250トンの重さにも耐えた』など、
技術の高さを伝えるエピソードもたくさんあります。
お城を見るときは上の方に目が行きがちですが、
今後は、足元の石垣にも注目したいと思います。